キャットフードの製造方法

ドライフード

ドライフードのキャットフードの製造には、プラスチック加工に使われるエクストルーダ=成型押し出し機が使われます。
エクストルーダは、大量の材料を粉砕し、加熱処理をし、押し出し成型をします。
エクストルーダを使うことによって、ドライフードの開発が急速に進みました。
エクストルーダを使うと、「一度に大量の生産が出来る」「均一の製品が出来る」「ネコはでんぷんを消化するためにα化※が必須ですが、加熱乾燥によって一瞬で出来る」といったメリットがあります。

※α化とは、糊化することです。
普通は鍋にでんぷんをいれ水で溶かし、熱を加えて作ります。

詳しく説明すると5工程からなっています。
  1. 穀類などは粒の大きいものは粉砕機にかけ、他の原料と混合します。
    全体を一定の粒の大きさ、一般的には1㎜程度に粉砕します。

  2. エクストルーダに入れ、まず、調湿します。
    適度に加湿と加温が繰り返されます。
    このために楕円形の容器内で蒸気が加えられ数分間練らます。

  3. 次に、大砲の筒のような円筒形をした場所に送られます。
    筒は、先端に行くにつれ細くなっていたり,内壁には凹凸のある条がつけられていたりします。
    内部にはスクリューがあり,混ぜられます。
    先端に向かって、加圧され,さらに外部より加温されるために、筒内を通過する時に,原料中のでん粉が急速に糊化します。

  4. 先端に,肉挽き機のような穴の空いたプレートが取り付けられ,その表面に高速回転するカッターが接触しています。
    この一個一個の穴の形状を変えることとカッターによる切断とで,丸や三角や四角,棒状や魚状や骨状といった形を作ることが出来ます。
    エクストルーダに投入された原料は,この直前までは高温高圧が掛かっていて,このプレートを通過した途端に大気中に放出されるため,原料中の水分は瞬時に蒸気として気化してしまいます。

  5. この原料混合物は,まだ水分が20~30%程度含有されていて柔らかいです。
    この形状を潰さないようにしながら乾燥機に入れ、天然ガスなどを用いて熱風で水分が10%程度になるまで乾燥されます。

  6. 乾燥した後、油脂類や嗜好性を向上させる原料などが粒の表面に添加されます。

ウエットフード

製造方法は基本的に食用缶詰とほぼ同じ工程で作られています。
ペット用だからといって、特に大差はありません。
ネコ缶の代表的な産地としては,マグロや、カツオの水煮工場が多くある所です。
国内では静岡県、海外ではタイが有名です。
つまり、原料となる魚介類の前処理までは食用缶詰と共通のラインで行われます。
食用に、加工されるもの以外がペット用にと切り分けられた後を,ペット専用の缶詰に使用するからです。
工場内の別の部屋や、別棟などになっていることが多く、これらは国内では地方自治体の指導に拠っています。
このようになっているのは,酸化しやすい食用缶詰の副産物である血合肉を手際よくペットフード用に活用する合理的発想の故だそうです。
こちらにも詳しく載っています。